<img height="1" width="1" style="display:none" src="https://www.facebook.com/tr?id=412582575862482&amp;ev=PageView&amp;noscript=1">

「あなたが健康だと、だれかがうれしい。」ひまわり生命が、健康支援に投資する理由

このエントリーをはてなブックマークに追加

 

昨年、様々なメディアで人気の収入保障保険1位に輝いた損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険の「リンククロス じぶんと家族のお守り」。2018年に発売された同商品は、加入者が健康になると保険料がキャッシュバックされる業界初の保険として昨年大きく注目され、発売から1年を待たずに、10万件の申し込み件数を突破しました。

健康応援企業への変革を宣言する同社は、健康サービスブランド「リンククロス」を立ち上げ、保険商品だけでなく、オウンドメディアやアプリを展開。驚くことにそのKPIは保険の成約数ではないそうです。

多くの企業が、利益への寄与が見えずらいブランディング施策のKPIに苦しむなか、社をあげて顧客と未来の顧客に対して、保険以外の付加価値「インシュアヘルス」(Insurhealth®)の提供に取り組むひまわり生命。記事では、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社 事業企画部 副長 矢木 智彦氏に、健康推進を軸にした中期経営計画の背景と、オウンドメディア、アプリの活用方法を聞きました。

IMG_5283

損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社
事業企画部 副長 矢木 智彦
ITコンサルティング企業、webコンサルティング企業を経験後、2016年よりひまわり生命。インフラ構築、データ分析など、様々な施策を支援する環境づくりとマーケティング調査、プランニングに従事。

 

新企業スローガンとして「あなたが健康だと、だれかがうれしい」の策定を20191月に発表されました。ケガや病気のリスクに備えるのが保険の役割であるのに対し、加入者の健康を応援するのはなぜでしょうか。

 

保険は、万が一病気になったときの経済的な保障が本来の役割ですが、保険会社として「お金を用意するだけでいいのか?」というのが全社的に議論されたことが始まりです。長寿化が進み、人生100年時代といわれる今、なるべく健康で長くいること、つまり保険をつかわない期間を維持するほうが重要であるという考えから、当社は2016年に健康応援企業へ事業方針をシフトしました。

 

IMG_4932

 

また生命保険は加入いただいた後、加入者が病気やケガをして請求するまで顧客と接点を持ちにくい。企業としても、売りっぱなしではなく、持続的なサポートを提供すること、サービスを通して顧客と定期的な接点を持つことも重要な指針のひとつとなりました。そこで五ヵ年の中期経営計画の中で進めたのが、健康サービスブランド、リンククロスの展開です。リンククロスでは、加入者の健康状態の改善を評価し保険料を安くするなど、本質的な健康増進を応援する保険商品の投入と、デジタルを活用し顧客と持続的に接点をもつ施策として、オウンドメディアとアプリを立ち上げました。オフラインにおいては、保険の販売員のトレーニングとして、健康知識を高める研修を定期的に実施し、健康応援に寄与できる人材「HLアドバイザー」を育成し、商品、サービス共に一貫して「健康応援」を軸に展開しています。

 

himawari_pic2

 

◆若年層の女性にもヒット。潜在層へリーチする、リンククロスのコンテンツ

多くの企業が顧客との接点創出、コミュニケーション手段として、オウンドメディアやアプリを導入しますがうまくいかないケースが多いです。その差はどこにあると思われますか?

 

当社の場合は、ユーザーに健康になってもらうことに目的を振り切っていることが功を奏していると思います。極論、保険契約がとれなくてもOKです。例えば、オウンドメディアの目的はシンプルで、ひまわり生命のリンククロスというブランドを知ってもらうこと。コンテンツは、ダイエットや婦人科系の病気など、健康に関するものから、占いや恋愛、レシピなど保険とは直接関係のないものまで展開しています。ターゲットは若年層の女性で、まだ保険を必要としていない人に対し、“ひまわり生命が何か面白いことやっているな“と思ってもらいたいというのが第1です。成約数やサイトへの送客数などはKPIにおいていません。

IMG_5032

アプリは現在3種類展開していますが、どれも目的は共通でユーザーの健康増進です。KPIはアプリによって異なりますが、ダイエットアプリの「リンククロス レコ」であれば、利用者の体重減少率、散歩アプリの「リンククロス アルク」はユーザーの平均歩数の底上げ率、キュレーションアプリ「リンククロス シル」では、ユーザーアンケートを行い、健康に対する意識変容度を評価しています。

アプリに関しては、ローンチ当初の想定と違うことも多々起きていて。例えば、中年男性向けに作ったダイエットアプリの「レコ」の利用者をみると、10代~20代前半の女性で、こちらが想定する以上に若年層だったんです。はたまた散歩アプリの「アルク」は、ローンチ当初はおしゃれに散歩するというのをコンセプトにした女性向けのアプリだったんですが、ふたを開けてみたら、実際に使ってくれていたのは60歳以上の男性でした(笑)。若年層の女性や、高齢者の方が新たに保険に入るというのは考えにくく、保険の成約数を目的に置いた場合、ターゲットがずれているということになりますが、もともとのアプリの目的は健康を応援すること。それに、ユーザーが自分の家族や友人へアプリを紹介してくれる可能性もあるという考えのもと、こちらが想定しているユーザー層とズレていても特に方針変更はせず、今も幅広い年齢の方にご愛用いただいています。

保険会社のアプリにおいて、自分の契約情報が把握できたり、家計相談の申し込み機能を設けているものがありますが、そういった機能はないのでしょうか?

 

ないですね。そもそも当社のオウンドメディアもアプリも、当社に契約が無い方も自由に使っていただけます。このサービスをご利用いただく方は等しく当社のお客様としてとらえていて、来訪されたお客様の保険への加入状況はほとんど把握していないんです。

いずれにしても、保険会社に用事があった場合、電話で問い合わせるのがまだまだ一般的だと思うなかで、いつ問い合わせニーズが発生するかわからないのに、そこにメリットを感じて、スマートフォンの限られた容量にアプリをダウンロードしてくれるか、というとそうではないと思います。

 

◆検討度合いが高い人のメールの開封率は最大50%越え。

オウンドメディアや、アプリなどのサービスを展開し、手ごたえとして感じていることはありますか?

IMG_5207

やはり、従来は店頭や販売代理店など、保険を必要としている人、または保険を紹介してほしい人としか接点を持てなかったのに対し、そうでない人と繋がれるようになったのは大きいです。キュレーションアプリ「シル」の閲覧行動だけでも、ユーザーがどういうものに興味があるのか、ある程度把握できるようになりました。ただ、契約状況のデータはとっていないので、契約有無、契約前後での変化感がまだわかっていません。

わかってきたことでいうと、メール経由での資料請求や保険へ加入する人は、ひまわり生命のHPをじっくり見ている人だということ。人によって成約に至るまでの道順、時間は異なりますが、お金関係のコンテンツを多く読んでいて、さらに1週間くらいにわたり何度も当社のサイトを訪問している、すごく慎重に検討される方が多いです。

また、キュレーションアプリ「シル」内での行動を見ると、資料請求などを境にユーザーが閲覧するカテゴリがダイエット・食事などのライトなカテゴリから病気・医療といったカテゴリに移りつつあることが見えてきています。

このように資料請求などに至った方の行動を参考に仮説をたて、「シル」での閲覧行動から保険や家計相談の情報を必要としている人、保険に対し興味、関心が相当高いと考えられる人に限定し、必要な情報をメールで案内しています。保険に興味がない人、ニーズが低い方には資料請求や保険相談を促すメールは送っていません。アプリのプッシュ通知はあくまでリンククロスを使ってもらうため、楽しんでもらうために使い、保険には直接関係のない内容をお送りしています

 himawari_Slide03-1

MAのシナリオや、メールマガジンの配信基準などは、サービス構想の当初から決めていたのでしょうか?

 

いいえ、そこまで細かくはきめていません。というのも、サービスを立ち上げた当初は、アプリの利用者はメールマガジンを送らなくても資料請求につながると考えていたんです。オウンドメディアやアプリのコンテンツを通じて健康意識が向上すると共に、自然な選択肢として保険の検討度合いが高まり、むしろユーザーのほうから資料請求してくれると思っていたのですが、そんな単純にはいきませんでした。

そこで、アプリでつながったユーザーに資料請求フォームへの送客を促すメルマガ施策を行ったのですが、すんなり個人情報を入力してくれる人って少ないんですよ。やっぱり保険会社に問い合わせをしたり、相談するのって、潜在的に「何か売りつけられるんじゃないか」という緊張感というか、心構えがどうしても芽生えるものなんだと思います。当社としても、オウンドメディアやアプリは健康応援企業であるという意思表示のためにやっていることで、ユーザーに安心して使ってもらうことが重要。なので、気持ち悪いアプローチを排除しようとなり、メールマガジンは限定的に行うことにしました。

金融企業において、メールの開封率が低いこともよくあげられる課題です。そのあたりの成果はどうでしょうか?

IMG_5041

内容によりますが、高いもので50%を超えています。業界平均が10%~20%ということを考えると、メールの開封率は比較的高いといえるのではないでしょうか。先ほどのキュレーションアプリ「シル」の閲覧行動で保険に興味がある人に限定して配信しているというのが大きいとおもいますが、保険相談などの内容を案内してもよく読まれています。メールマガジンの配信停止率も低いですね。

 

◆オウンドメディアやアプリは「未来のお客さま」を作るための投資。 

成約率をKPIにおいていないということですが、オウンドメディアやアプリの効果を社内で証明はどのようにされているのでしょうか。

 

従来、保険会社は保険料収入でROIをみるので、リンククロス単品だと売り上げに寄与しないこの取り組みをどう評価するのか、予算をどれだけ割くのか、会社としても難しい部分だったと思いますし、多くの企業で苦労する部分ですよね。私たちの場合、社内では「ゲスト」とよんでいますが、「未来のお客さま」を作る取り組みへの投資としてとらえています。オウンドメディアやアプリ経由での成約は少しずつ増えていて。小さい成果ではありますが、いままで店頭や紹介というオフライン接点しか持てなかったことを考えると、オンライン上の接点創出の成功は大きい。そこをどう評価し、話していくことかなと思います。当社の場合、評価部門と何度も話し合い、資料請求だけでも成果にするなど、指標を新しく考え直しました。

未来への投資に踏み切る判断もそうですが、「健康応援企業」としての覚悟を感じます。直接売り上げに寄与しない取り組みも多く含むなか、そこまでに至った企業としての課題はどのようなところにあるのでしょうか?

 

やはり経営における危機感というのはあったと思います。保険はどうしても差別化が難しく、価格競争になってしまうなか、ひまわり生命は日本にある約40の生命保険企業の中でも、売り上げ規模としては中堅です。冒頭でも話した通り、顧客との接点が限定的であるなかで、どうやって当社を選んでもらうかというのは課題の一つでした。そこで保険を売るだけではなく、新たな価値として「インシュアヘルス」(Insurhealth®)を組み込んだ商品、サービスを推進していくべきというのが代表の大場の考えです。「インシュアヘルス」は、保険の本来の機能(Insurance)に、健康を応援する機能(Healthcare)を合わせた弊社の造語。大場が社長就任前、経営企画部長だったころから計画していたもので、収入保障だけでなく、健康になるモチベーションをあげることを価値としています。「リンククロス じぶんと家族のお守り」も、こうした発想からうまれた商品です。

 

IMG_5152

 

◆データ活用は、自社データだけでは把握できない顧客の動きを知るため。

 健康応援企業を掲げると同時に、データ活用にも積極的に取り組まれています。MAツールのほかに、Arm Treasure Data eCDP も導入されていますが、その背景を教えてください。

 

 TreasureCDPはリンククロスでつながったお客様の行動・属性からライフイベントのタイミングを捉える、といった目的で導入しました。現在は主にアプリの行動ログ、webの閲覧ログ、リンククロス会員の属性データを蓄積しています。

さきほど、リンククロスのアプリ経由で資料請求をしてくださったお客様は、ひまわり生命のHPを何度も訪問していたと話しましたが、リンククロスを経由しない場合も同様のことが起きていて。保険を選ぼうと思って、ひまわり生命のHPを真っ先に見てくださるのは損保の関係者くらいで、たいていの場合が、外部サイトや比較サイトなどで情報を得て、ひまわり生命のHPに来てくださいます。しかし、その動きは自社データだけでは把握できません。こうしたWeb上でのお客様の動き方を可視化するために、今後は外部データとの連携を進めていきたいと思っています。

データドリブンな施策も、セールスへの寄与という部分で社内調整に課題をもつ企業が多いですが、そのあたりはどう考えますか?

 IMG_5030

大事なのは、社内で体制をどう作るかだと思います。いかにシステムと連動するかが重要になるので、マーケティング観点をもったエンジニアの存在も必要です。当社の場合、五か年計画の中でシステム部に先進的な取り組みをサポートする専門チームが新設されました。従来の基幹システムだけでなく、クラウドシステムに詳しい人材を集めた専任チームがリンククロスをサポートしてくれているのですが、それがなかったらもっと大変だったと思います。

 またデジタルを活用していくうえで、インナーコミュニケーションはすごく大事です。データドリブン思考へ転換できるかは、人によります。当社の場合は全国の支社にも協力をもとめるわけですが、マーケティング部署が「未来のお客さまを作る」という一貫したメッセージを発信しているし、社内でグーグル+などを活用するなど、情報提供は積極的にやっています。

今後の展開を教えてください。

 今後のチャレンジとしては、リンククロスの会員数拡大を目的に、CDPにたまったデータを使った機械学習への取り組みは必須だと思っています。現在は人力でデータを集計・分析している段階ですが、前述のスコアリングしたメール施策をブラッシュアップしていくほか、スマホアプリの機能改善など、人力では因子を特定できないほどデータが膨大になってきています。これらを解決する手段として機械学習を用いたトライアルを進めていきたいと考えています。

 また昨年、「リンククロス じぶんと家族のお守り」のほかにも、「リンククロス 笑顔をまもる認知症保険」を発売しています。認知症は、軽度認知障害(MCI)の段階で発見すれば改善の可能性があります。そこで、早期発見を促すために本商品はMCIと診断されると一時金として5万円給付される業界初の保険になります。このように、なるべく早くみつける、早期発見の仕組みを商品設計に組み込むような業界常識を打破する商品を投入し、本質的に日本の健康を推進し社会に貢献していきたいと思っています。

 

オールアバウトのコンテンツマーケティング

オールアバウトでは、月間2500万人の自社のユーザーデータと、2018年5月に資本業務提携をしたNTTドコモのデータ(※)、さらに提携メディアや企業のデータを掛け合わせ運用する、コンテンツマーケティングを提供しています。 以下の資料では、メディアデータを活用した顧客理解、コンテンツマーケティングの事例をご紹介しています。

※NTTドコモがお客様から同意を得た範囲に限ります

 

ダウンロード