コンテンツでしか出会えないユーザーとの接点を生み出す。パーソルキャリアのプロモーション戦略(3)【全3回】

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転職サイト「DODA(デューダ)」をはじめとする人材サービスを提供しているパーソルキャリア株式会社(旧株式会社インテリジェンス)では、「“未来を変える”プロジェクト」と「キャリアコンパス」という2つのオウンドメディアを運営しています。

インタビュー第3弾は「“未来を変える”プロジェクト」と「キャリアコンパス」のコンテンツプロモーションを担当している川跡正博さんに、プロモーション戦略と運用方針についてお話を伺いました。

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キャリアディビジョン マーケティング企画統括部 DODA編集部 広告宣伝グループ
(左から)森本大さん、川跡正博さん、三石原士さん ※所属は2016年10月時点

社内で初の試みだったコンテンツプロモーション

―――まず、コンテンツプロモーションをご担当されることになった経緯を教えてください。

私がDODA編集部に異動してきたのは2015年の10月でして、それまではアルバイト求人情報サービス「an」でデジタルマーケティングを担当していました。具体的には、運用型広告を使い、求人案件の応募獲得をするための運用を行っていました。

異動して転職サービス「DODA」のコンテンツプロモーションを担当することになりましたが、社内で初めての試みだったため、実績やノウハウはもとより、基準となる指標もない状態でした。担当する私自身も知識があったわけではないので、社内外の方々とのやり取りの中で少しずつ勉強しながらやってきました。 

中長期的に新規ユーザーとの接点を創出することや、コンテンツの役割や評価をさまざまな指標で分析する検証を実施しました。

川跡さん

 

―――まさにゼロからのスタートだったのですね。基準となる指標がないところから始まって、今はどのような指標で施策を評価するようになっていますか。

既存のWeb広告の誘導単価と比較してみることにしています。他でやっているWeb広告の施策はコンバージョンが目的のため、異なる目的のものを並べて比較してもどうなのかという意見はあると思いますが、ひとつの判断材料にはなるのではないかと考えています。 

コンテンツの誘導単価が他のWeb広告の誘導単価の半分です、という結果であれば、コンテンツでの施策が既存の広告よりも非効率ではないということが証明できると思っています。

実際に、現状では新規ユーザーを集めるという点においては、他の施策より安く誘導することができています。

ネイティブアドネットワークを活用した運用

―――実際にどのように運用をされているのか教えてください。

DODAサイト内にある「転職成功ガイド」と「キャリアコンパス」、「“未来を変える”プロジェクト」それぞれからコンテンツをピックアップしまして、ネイティブアドネットワークに露出して、コンテンツに接触したユーザーが来訪後にどのような行動をとるか、を検証しています。

ネイティブアドネットワークは「Yahoo!コンテンツディスカバリー(YCD)」と「Outbrain(アウトブレイン)」の2つです。SNSの活用も考えましたが、コンテンツプロモーションでターゲットにしているのが、転職に対する意識がまだ高くない層と捉えていましたので、それらのユーザーへ幅広くリーチするためにYCDOutbrainを選んでいます。低単価で効率的にコンテンツを流通させることができるという点も導入した理由のひとつです。

運用については、各コンテンツに対してCPCが同等になるように調整をしながら、同程度の流入を作るようにしています。重複クリックを防ぐために、誘導クリエイティブは原則1コンテンツに対し1つに固定しています。初動のCTRが低すぎる場合のみ変更するというルールを設けています。

 ―――コンテンツ接触~その後の行動はどのような指標で評価をしているのですか?

新規のユーザーと接触できているか(新規UU)と新規ユーザーの比率(新規UU)。「DODA」の指名検索数(指名検索数)と指名検索でサイトに来訪したユーザーの比率(指名検索来訪率)で評価をしています。

なお、分析はネイティブ広告の分析支援ツール「TRIVER(トライバー)」と「Googleアナリティクス」を活用しました。 

まずは通常DODAサイトに来訪しないユーザーや広告施策で接触できないユーザーと出会うことを第一の目的にしています。ただし、新しいユーザーとたくさん出会えただけでは意味がなく、「DODA」というブランドをどれだけ認知してもらえたのか、さらに再来訪行動をしてくれたのかというのも重要になってくるため、第二の目的として「DODA」の指名検索での来訪率を設定しています。

プロモーションで見えてきたコンテンツごとの特性

プロモーションを実施していく中で、コンテンツごとに特徴的な結果がでてきました。まずはメディア別の傾向として「転職成功ガイド」は指名検索来訪率が高くなりました。一方、「“未来を変える”プロジェクト」と「キャリアコンパス」のコンテンツは新規ユーザー率が高いという結果が出ました。

 コンテンツプロモーション分析結果1

さらにそれをコンテンツ別に分解しました。「転職成功ガイド」の中でも特に指名検索来訪率が高いコンテンツや、「“未来を変える”プロジェクト」や「キャリアコンパス」の中でも新規UU率が高いコンテンツをピックアップして、どのような傾向があるのか分析を行いました。

 コンテンツプロモーション分析結果2

結果、指名検索来訪率が高かった「転職成功ガイド」に来訪したユーザーは既存のユーザーであることが分かりました。新規ユーザーのみを抽出して調べたところ、それほど指名検索がされていませんでした。 

新規UU率が高いコンテンツに関しては、コンテンツのターゲットやテーマにばらつきが多く、共通の傾向を捉えることはできませんでしたが、その半面、多様なユーザーとの接点を創出することができているのでは? という仮説を作ることができました。

今後は、図の右上ゾーン(高指名検索来訪率、高新規UU率)のコンテンツを数多く生み出すことが私に求められる課題となっています。そのためには、求めるユーザーを集客するためのコンテンツ制作が重要になると考えています。プロモーション結果のデータ(読了率や直帰率等)を制作チームに共有することで、コンテンツの改善に取り組みはじめたいですね。 

コンテンツプロモーションで実現したい世界観

―――今後の展望を教えてください。

コンテンツに触れた人に、DODAっておもしろそうだなと思ってもらいたいです。そう思っていただける人が増えることで、広告に頼らず 転職=DODAとイメージしてもらえる世界観を作り上げるのが理想だと考えています。そうなるためにコンテンツの内容や誘導クリエイティブをもっと工夫して、新しいユーザーの方に見ていただけるようにする必要があります。 

また、コンテンツ経由でDODAに会員登録した方に対するCRM施策もいずれ実施したいと考えています。最初にコンテンツに接触して、次にどういったコンテンツに触れさせることでアクションにつながっていくのかを検証したいです。

そうした検証を重ねることで、1年間で制作される数十のコンテンツをいつ、どのタイミングで、どのユーザーに届けることがもっとも最適なプロモーションになるのかを、明らかにしたいと考えています。